朝、池袋西口のカフェでコーヒーを飲み、コンビニのATMへ。14万円の入金があった。ほっと胸をなでおろす。しかるべき場所に色々と送金し、手元に数万円が残った。帰りの飛行機代とあと数日分の滞在費がまかなえる額だ。神に感謝を伝えた。
飛行機のチケットを取ろうとしたが、今は取ってはいけない気がする。それでチケットは後から取ることにした。
すぐに栃木県に向かうこともできる。が、まだ時ではないと思った。
池袋に来た理由があるはず。
今日の行き先を教えてください。神様に祈りながら人混みの中を歩き始めた。
しばらく歩いていると、「沖縄の〜〜」と大きな声で沖縄の話をしながら歩く2人の青年が目の前に現れた。この青年たちの歩く方向へ歩き出す。もしかしたら、この2人組に福音を語ることになるのだろうか。
やがて、2人の青年は道路沿いにある大きな建物の中へ消えていった。
建物の前でしばらくたたずむ。思い切って青年たちに声をかけるべきだっただろうか。わからない。建物を通り過ぎて、もう少し歩いてみようと思った。
数分あるくと、歩道にコーヒーの立て看板をみつけたので、お店の中に入ってみることにした。
清潔で落ち着いた店内。レモンスカッシュとチーズケーキを注文した。穏やかで優しそうな店主さんが店を切り盛りしている。
しばらくくつろぐ。追加でホットコーヒーを注文する。店内にはもう1組のお客さんがいる。この人たちに福音を?わからない。
お客さんたちが退店した。お店の外は雨が降り始めている。僕は傘を持っていなかったので、雨の強さを確かめるために外を確認しようと立ち上がる。
優しい店主さんが、「駅まで行かれますか?よろしければこれを使ってください」とビニール傘を差し出してくれた。
「ありがとうございます。僕は沖縄から来たもので旅の途中です。傘をかりてもお返しできないと思います」と答えた。
沖縄から来たクリスチャンであること。新宿の教会で開催されたブラザーヒョクの大会に参加した帰りであること。雲の話、ヤンバルクイナの話をした。
僕がここに来た事には意味があります。神様が店主さんに伝えたいと思っていることがあります。と言い、福音を語った。
イエス・キリストが地上にこられ、罪のない方が僕たちのために身代わりとして十字架の上で死んで墓に葬られ、3日目に蘇り、天に昇られたこと。このイエスを信じる者は永遠の命を与えられること。そして、彼はまもなくこの地に戻ってこられると伝えた。
話を静かに聴いていた店主さんが口を開いてこう言った。
「僕は無宗教ですが、立教大学(クリスチャンの宣教師が創立した大学)の出身です。幼い頃はサンデースクールに通っていましたし、聖書も読んでいました。とっても久しぶりに神様のお話を聴きました」
神様が彼の信仰の回復を願っておられるのだと感じた。
「イエス・キリストは物語に収められているだけの人ではなく、今も生きておられます。神様は、幼い頃、聖書に親しんでいた店主さんのことを今も覚えておられます」と強く語った。
「また、聖書を開いて読んでみたくなりました」と店主さんは言ってくださり、コーヒー代をサービスしてくれた。
帰り際、店主さんに手を置いて、大胆に神に祈った。店主さんの人生の祝福、店の祝福を共に祈りお店の外にでた。
店の外まで見送ってくださった店主さんに感謝を伝えて、僕は駅に向かい歩きだした。
雨はあがり、太陽が輝いていた。
イエス・キリストの素晴らしさに感動しながら駅に向かいあるいていく。池袋での目的は達成されたと理解できた。
この喜びを誰かと共有したくなり、K兄弟と電話で話した。
夕方、K兄弟と会うことになった。
高田馬場駅で兄弟と合流し、新宿へ向かった。
K兄弟は、痛みを抱えていそうな方に大胆に声をかけていく。病を癒す祈りをし福音を伝えるために。
新宿で、杖をついた男性に声をかけたところ、男性は快く応じてくれた。コロナの頃から左半身に感覚があまりないのだという。
2人で男性に手を置き祈った。少し良くなっていると男性は喜んだ。もう一度祈った。彼はさらに喜んだ。
話を聞くと、長崎出身のカトリック教徒だという。
病の癒しと同時に、経済の癒しを祈る必要を感じた。必要を全て満たしてくださる神に共に祈り、祝福して別れた。
その後も、きっかけを見つけては人々に福音を語るK兄弟と一緒に町をあるいた。
かつて、エホバの証人だった僕たちが、真理を携えて、イエス・キリストと共に働いている恵みに心の底から感動した。
その日は、K兄弟の家に泊まらせていただくことになった。
神は、神を愛する者たち、すなわち、
ご計画に従って召された者たちと共に働いて、
万事を益となるようにして下さることを、
わたしたちは知っている。
ローマ8:28